8.徹底比較!ハイブリッドチェスト(HGシリーズvsフィッツユニット)

今回はアイリスオーヤマのHGシリーズのロングチェストとウッドトップチェスト天馬のフィッツ・プラス(Fits plus)とフィッツ・ユニットケース(Fits unit case)を徹底比較しちゃいます!

どちらも旧来からあるポリプロピレン製の引出式衣装ケースまたはチェストと比べるとかなり値段が高く感じられますが、その理由は、より頑丈で、より引出の出し入れがスムーズに改良されているから。

触ってみて、使ってみれば、その良さは本当によく分かるんですが、それでも高く感じます。なにしろ、例えば天馬のフィッツを例にとると、長年のロングセラーであるフィッツ・ケースに比べ、フィッツ・ユニットケースの価格は約18%アップ。ホームセンターで特価で売られている引出式衣装ケースなどと比べると約200%以上も高いですからね~。

そんなわけで今回は、「本当にそれだけの価値があるの?」、「アイリスオーヤマと天馬、どちらオススメ?」という疑問にお答えします!

アイリスオーヤマ/HGシリーズ

HGロングチェスト HGウッドトップチェスト

天馬/フィッツ・ユニット&フィッツ・プラス

フィッツユニット4025 フィッツプラスF5505

<比較1>引出の開閉

従来のポリプロピレン製の引出式衣装ケースやチェストと比較してもっとも顕著なのは引出のスムーズさです。

アイリスオーヤマのHGシリーズには金属製スライドレールがついています。従来品はレールというものがなく、一般的にポリプロピレン製の引出とスチロール樹脂の外箱の摩擦が大きくて、衣類などを詰め込むと結構重く感じられたのですが、金属製スライドレールのおかげでかなり軽く引出を引くことが出来ます。このポリプロピレンとスチールの組み合わせがハイブリッド・チェストの流行の始まりです。

HGシリーズ 金属製スライドレール

天馬のフィッツ・プラスやフィッツ・ユニットケースには金属製レールはついていないものの、引出と外箱の接点を最小限にすることで製造元比較で従来品の1/7の軽さで引き出せるようになっています。

天馬 フィッツ・ユニット/プラス 引出

アイリス、天馬ともに、引出の軽さと来たら本当に軽い力で引出をポンっと押すだけで引出が自動的に外箱に収まるような感覚です。出しやすいは戻しやすい・・・・これは収納の基本中の基本。だから高いお金を払う価値があるんですね。

ついでに、天馬のフィッツ・プラスには、引出ロック機構がついていますので、地震などの際の引出の飛び出しを防ぐことが可能です。幼児のいる家庭でも少し安心できますね。

フィッツ・プラス 引出ロック機構

<比較2>頑丈さ

従来のポリプロピレン製の引出式衣装ケースやチェストの天板にモノを置いて、引出やチェストの天板がたわんでしまい、引出の開閉がスムーズにいかなくなってしまった経験は無いでしょうか?天馬のフィッツ・ユニットはそれを解決する対策がされています。

天馬のフィッツ・ユニットケースの天板には、周囲にアルミ補強枠が入っており、もちろんメーカーは天板の上に重いモノを置くことを推奨はしていないのですが、結構丈夫に出来ています(天板耐荷重5kg)。

フィッツユニット 天板 アルミ補強枠

ちなみに、アイリスオーヤマのHGロングチェストにはアルミ補強枠のような構造はありません。また、HGウッドトップチェストとフィッツ・プラスは天板がMDF化粧合板ですので頑丈です(アイリスオーヤマのHGチェストにはウッドトップではないプラスチック天板タイプもあります)。

またちなみに、基本的にアイリスのHGや天馬のフィッツ・ユニットなどは従来品に比べて頑丈なのですが、収納マンがお客様宅で見てきた経験上、HGシリーズはロングチェスト、ウッドトップチェストともに引出前板が外れて壊れているのを幾度となく見てきましたが、天馬のフィッツ・ユニットケースやフィッツ・プラスではそういった事例がないので、天馬の方が頑丈なのかもしれません。

<比較3>前倒れ防止

アイリスオーヤマのHGロングチェストには、引出を引き出した時に衣装ケース本体が前に倒れるのを防止するためのストッパーが本体後ろ側に取り付けられます(付属品)。

HGロングチェスト 前倒れ防止

同様の機能は、天馬のフィッツ・ユニットケースにもあります。

フィッツユニット 前倒れ防止ジョイントパーツ

*HGウッドトップチェスト、フィッツ・プラスは、そもそも多段式の一体型チェストなので、前倒れ防止機能はついていません。

<比較4>キャスター

アイリスオーヤマのHGロングチェストには別売のキャスターを取りつけることが出来ます。他方でHGウッドトップチェストにはもともとキャスターがついていたのですが、諸般の事情により、キャスター無し、しかもオプションでの取り付けも不可能になりました(奥行56cmタイプ、75cmタイプの多段タイプには、一部を除きキャスターが最初からついています))。

HGロングチェスト 別売キャスター

その点、天馬のフィッツ・ユニットケース、フィッツ・プラスともに、別売のストッパー付きのキャスターが取り付け可能です。アイリスオーヤマもストッパー付きにしておけば良かったんですけどね~・・・・。

フィッツ差込式キャスター(ストッパー付き)

ちなみに、押入やクローゼットに引出式衣装ケースを置く場合も、部屋の隅にチェストを置く場合も、キャスターが付いていると、特に掃除や衣替えの時などは非常に便利です。ただし幼児がいる場合は、転倒の危険性は考慮しておかなければなりません。

<比較5>拡張性

アイリスオーヤマのHGシリーズ、天馬のフィッツ・シリーズともに、メーカー製だけあって信頼感があり、定番商品だけあって拡張性も高められています。

まずアイリスオーヤマのHGウッドトップチェストは、引出の段を一段追加したり、逆に減らしたりすることが可能です(同じ幅の1段タイプなどを追加購入してセットする)。

対して天馬のフィッツ・プラスは、引出の追加や取り外しは出来ませんが、フィッツ・ユニットケースの場合は隙間を有効活用したり、活用の幅を広げるための棚板などのオプションがあります。

フィッツユニット 専用棚 組合せ例

<比較6>サイズバリエーション

収納はスペースに合わせるものではなく、何を入れたいか、そしてその前にどうしたら自分が使いやすいかを考えることが第一ですが、とはいえサイズも重要です。少なくとも、バリエーションが多い方が選択の幅が広がりますからね。

見ていただいたらお分かりの通り、アイリスオーヤマの方が圧倒的にサイズバリエーションは多いです。ただ、アイリスオーヤマの場合は、幅のバリエーションは天馬よりも多いものの、クローゼット用や押入用までもが多段セットになっているだけで、引出の深さに関しては天馬の方が実質的なバリエーションが多く(深さ18cmタイプがあるだけですが)、入れたい衣類に合わせることを考えると、天馬の方が使い勝手は良いように思います。

<比較7>デザイン

HGウッドトップチェスト フィッツプラスF5505

デザインの良し悪しは好みの問題なので収納マンの率直な好みで言いますが、天馬の方がオシャレっぽいと思います。アイリスオーヤマのHGウッドトップチェストは引出の段数の変更が可能な一方で、側面がラダー状になり、見た目も悪く、ホコリも溜まりやすいというデメリットも生みます。対して天馬のフィッツ・プラスは側面がフラットでスッキリとしており、ホコリも溜まりません。ただ多少、圧迫感はキツくなりますが・・・・。

HGロングチェスト フィッツユニット4025

あと、アイリスオーヤマのHGロングチェストは真っ白でノッペリとした感じですが、天馬のフィッツ・ユニットケースはカプチーノ色で、引出前板も半透明でスッキリしており、中身が見えるから機能性も高いと思います。もっとも、中身が見えない方が良いという場合もあると思いますが・・・・。

そうそう。ちなみにアイリスオーヤマには、外箱が化粧合板のハイブリッドチェストシリーズもあります。左写真のようなカラフルなもののほかに、ベーシックなカラーもあります。見た目はこちらの方がシュッとしてて良い感じですね。

アイリスオーヤマ ハイブリッドチェスト

一方、天馬のフィッツユニットにもカラフルなものが出ました。ピンク、ライム、ホワイト、ブラウン。おそらく一部ショップ限定だと思います。

<比較8>価格

同程度のサイズの商品を比較して・・・・、アイリスオーヤマのロングチェストHGL-441アイリスプラザで購入した場合は2,980円(4個セットで1個当たり2,245円)、例えば楽天市場で最安値で購入した場合は2,000円、天馬のフィッツユニットケース(L)4423テンマフィッツワールドで購入した場合は4,380円、楽天市場で最安値で購入した場合は3,373円と、アイリスオーヤマのHGロングチェストの方がかなり安いようです。

一応、チェストタイプも比較してみますと・・・・、アイリスオーヤマのウッドトップチェストHG-555Bをアイリスプラザで購入した場合は7,980円、楽天市場で最安値で購入した場合は5,780円、天馬のフィッツプラス F5505をテンマフィッツワールドで購入した場合は13,800円、楽天市場で最安値で購入した場合は8,700円と、やっぱりアイリスオーヤマのHGウッドトップチェストの方が格段に安いですね。天馬の方が約40~70%も高いという計算です。(価格は全て税込み、2011/05末現在)

まとめ

結論。かなり偏った意見でまとめちゃいますが、天馬のフィッツ・シリーズは高い。非常に高い。けれどモノは総合的に見て、天馬の方がかなり良いと思います。今までは収納マン自身もそれほど明確に思ったことは無いのですが、改めて比較検討してみると、そんな感じです。

独断と偏見満載で書きましたので(笑)、今回の比較がどこまで皆さんの参考になったか分かりませんが、ズバリ、コスト重視派はアイリスオーヤマで、品質重視派は天馬でほぼ間違いないんじゃないでしょうか。

それともう一つ補足。収納マンは普段お客様のお宅で引出式衣装ケースを追加購入する場合、予算の制限が厳しくなければ、また以前から使用している従来品の引出式衣装ケースの追加などの制限がなければ、基本的には極力、こういった商品(正確には基本的にはFitsユニット)をオススメするようにしています。確かに引出式衣装ケースとしては高く感じますが、10~20年前に主流だった外箱がスチール製で引出が樹脂製の衣装ケースと比べたら別にそんなに高いわけでもないし、逆にここ10年ほど主流だったポリプロピレン製の引出式衣装ケースが安いだけの粗悪品と言うことも出来るからです。まあそんな歴史を紐解くまでもなく、値段に見合った価値は十分にあると思います。

最後に、蛇足になりますが、楽天ラウンジでもわたくし収納マンが今回と同様にアイリスオーヤマvs天馬のコラムを書いています(→楽天ラウンジ・収納「天馬・フィッツプラスvsアイリス・HGウッドトップチェスト」)。よろしければ参考にしてみてください。

*この記事は2009/05中旬時点の情報で作成しております(2011/05一部修正)。

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