3.学習机の選び方(2)価格、健康対策、サイズ、機能面、購入時期

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「学習机の選び方(1)」では、学習机のスタイルにはどういったものがあるか、どんなメーカーがあるかなどについて見ていきました。

次は、価格や購入時期、具体的なチェックポイントなどを見ていきましょう。

[4] 学習机の価格

2011年度の学習机の平均購入価格は61,500円。近年も同水準と見られています。家具店などの店頭に並ぶ学習机の価格帯は、3万円から30万円くらいまで様々ですが、近年は5万円前後と10万円以上に二極化しています。

ちなみにここだけの話・・・大型チェーン店ほどオリジナル商品を置いていることが多いですが、あまりオススメとは言えません。たいてい、細部のディテールが違うだけで、プロパー品(カタログ掲載品)より割高な価格設定がされているからです。まれにプロパー品とは全く違う仕様の商品や心惹かれる仕様のものもありますが、その場合は割高なことは承知の上でそこで買うしかないでしょう。(注:もちろん良心的な価格のオリジナル商品もあります)

[5] 健康対策

各社ともに健康・安全を謳っていますが、意外と未だにF☆☆☆ランクの合板等を使用しているメーカーも多いです(特にデスクメーカー系)。ちなみにFの後に続く☆は数が多いほどホルムアルデヒド発散量が少なく、☆4つが最高品質。なお、☆1つ、2つというランクは学習机で使われることはまずありません。

基本的に家具に含まれるホルムアルデヒドの量は住宅建材に比べれば微々たるものなので気にする必要性はほぼないと個人的には思うのですが、合板、塗装、接着剤など対象がいくつもあるので、心配な方は国産一般家具メーカー系のものを選んだほうが無難でしょう。

ちなみにホルムアルデヒドを一切含まない自然塗料の商品は、健康には配慮されていますが、非常に汚れやすくキズも付きやすいので、そのあたりは覚悟しておいたほうが良いでしょう。ホルムアルデヒドは時間とともに発散されていきます。ハッキリ言って天板などの塗装よりも、合板に接着剤が使用され、しかも密閉空間である引出内部のほうが影響が多いです。よほど化学物質に過敏な方でない限り、自然塗装の使用を全面的に打ち出しているメーカーの言い分はあまり真に受けないほうが良いでしょう。

メーカー 定価(万円) 実売価(万円) 生産国 健康対策 保証期間(年)
オカムラ
(岡村製作所)
8.0~15.0 3.0~7.5 不明 F☆☆☆ 1~3
イトーキ
(旧イトーキクレビオ)
8.6~20.0 4.3~11.6 不明 F☆☆☆
WHO基準値以下
1~3
くろがね工作所 6.5~OP 4.3~15.8 不明 F☆☆☆ 3
コイズミファニテック 7.9~18.1 4.8~11.8 海外 WHO基準値以下 3
ヒカリサンデスク
(光製作所)
不明 4.2~10.4 中国 F☆☆☆☆
F☆☆☆
不明
小島工芸 10.3~25.4 5.0~14.9 日本※ F☆☆☆☆ 不明
堀田木工所
(hotta woody)
10.5~14.2 5.4~7.1 日本 自然塗料・無垢
F☆☆☆☆
6
杉工場  5.4~10.2  5.4~10.2 日本 自然塗料・無垢
F☆☆☆☆
 不明
大塚家具製造販売 不明 6.0~9.0 不明 F☆☆☆ 不明
カリモク家具 10.1~19.2 7.5~17.3 日本 F☆☆☆☆ 3
マルニ木工  11.2~17.6 7.8~15.0 中国 F☆☆☆☆ 3
浜本工芸 11.6~20.6 8.7~18.5 日本 F☆☆☆☆ 5
飛騨産業 11.6~24.5 8.7~22.0 日本 F☆☆☆☆ 10

※堀田木工所は合板についての健康対策記載なし

※小島工芸は一部海外生産

  • おおむね実売価の安いほうから順に並べています
  • 2011年度カタログ掲載の片袖机(デスク本体+袖ワゴン+ブックスタンド)について集計
  • 公平を期するため、また地域による差を生じないようにするため楽天市場で調査(2010/11/22)
  • 一部家具メーカー品はインターネットで実質的に販売が規制されているため収納マン推定金額
  • 不明の項目はできるだけ順次、明確にしていきたいと思います

[6] サイズ

住宅事情に合わせ、以前は首都圏では幅100cmタイプが主流で、他の地域では幅110cmタイプが主流でしたが、近年は全国的に100cm幅が主流です。一番勉強する必要がある時期のことを考えると基本的に幅は広いに越したことはありませんが、袖ワゴンの天板が昇降式のものが多いので、それを考慮すれば幅100cmのものでも幅140cm以上の天板面は確保可能です。

一方、近年は組み合わせデスク(組み替え式デスク)が主流になりつつありますが、現実問題としてセットされている幅100cm以上もの棚を横に並べたり、L字型にレイアウトできる広さのお宅はほとんどありません。無駄なモノを買わないように注意しましょう。

[7] 機能面

スタイルによって機能は違ってきますが、家具のプロとしてまず必ず比較検討してもらいたいのは引出です。2012年度からはほとんど全社が引出内部材をファルカタ(洋桐)にバージョンアップしてきましたので大差はなくなったのですが(一部のぞく)、良いものとそうでないものは引出を開けてみればよく分かるはずです。

あと、脚形状ですが、新入学児は自分で椅子を引くことができませんから、下図のような脚形状(Cライン脚などと呼ぶ)のほうが座りやすいのでオススメです。また、4本脚の学習机はデザインは良いのですが、座りにくい上にグラつきが出る可能性があるのであまりオススメはしません。

デスク脚形状

ちなみに昔に流行ったコクヨの「くるくるメカ」などと違い、最近のピエルナ(オカムラ)のような天板昇降式デスクはガタつきこそありませんが、学習椅子の座面が昇降式になってデスク天板の昇降式の必要性がなくなったのと同様、今後はまた人気が薄くなっていくのではないかと個人的には思っています。なにより、袖ワゴンの収納量が少ないのが大きな問題です。

あと大きなポイントは、照明器具。2012年度からは本格的にLED付き照明が普及し始めました。家電量販店でも小型のLEDデスクライト(主に書斎等での読書用)は購入できますが、学習用の幅の大きなものは学習机を扱っているお店でしか手に入りません。LEDは明るいでの小さくても問題ないと思われがちですが、実際は光の届かないところが相対的に暗く見えるので、幅の広い学習用を購入することを強くオススメします。

[8] 購入時期

近年は早くて8月下旬頃から、だいたいは9~10月に家具店の店頭に並び始め、1月から2月初旬までが最大のピークとなります。それを過ぎるとディスカウントが始まりますが、多くは現品処分で、あまりお買い得品はないと思います。市場が縮小してきているためメーカーも生産を絞ってきているのと、生産計画が緻密になってきているからです。

また人気機種、特に家具メーカーの学習机は欠品が早く出ますので、良いものが欲しい人、こだわりがある人はできるだけ早めに買っておいて損はありません(国産一般家具メーカー品は10~12月に購入するのが基本です)。むしろ近年は早期割引キャンペーンをする家具店が多く見受けられます。あと、百貨店の外商さんが知り合いにいる場合は相談してみると良いかもしれません。

[9] 購入時の諸注意

購入前の段取りとしては、まずは必ず親御さんだけで家具屋さんに下見に行ってください。そこでカタログを集め、販売員からいろんな情報を聞き出すことが重要です。

だいたいの目星が付いたら、お子さんを連れてお店に行ってください。ほとんどのお子さんが、パッと見た目で選んでしまいます(だから最初は親だけで見に行くんですね)。そういう場合は、デスクマットをお子さんに選ばせてあげて、机本体は、親の意志で決めることが重要です。小学校入学前のお子さんに、そんな高価なものを決定できるだけの判断能力があるはずなど無いのですから。

机が決まったら、実際に座らせてみることも重要です。また、この際に、「ちゃんと勉強する」ということを約束させてください。これができないお子さんは、絶対に当分の間はその机を有効利用しようとしません。それをせずに「せっかく買ってやったのに!」と子供に怒るのはただの親のエゴです。

ちなみに最近はそういった事情もあって、新入学時に学習机を買わずに高学年になってから買うお宅も多くなっています。学習机が一番出揃っているのは11~12月で、ほかのシーズンは皆目揃っていませんので、その時期に合わせて買ったほうが良いとは思いますが、年に1回はチャンスがあるのですから、決め切れない場合やお子さんがそれほど欲しがらない場合には無理してすぐに買う必要はないと思います。

最後に、ネットショップでの購入ではトラブルが発生する場合があるようです。特に浜本工芸やカリモクの学習机を購入する場合、家具専門のお店以外では買わないようにしてください。生活雑貨から何でも扱っているようなお店は要注意。そういうお店はそもそも浜本工芸やカリモクとは取引がありません。注文しても商品が届くはずがないのです。会社概要や特商法上の表記を確認し、リアル店舗があるかどうかをよく確認して購入してください。

もう一点、ネットショップで購入する場合でも組立設置してくれるショップはありますが、玄関渡しのところも多いと思います。組み立てはそれほど難しくはないのですが、非常に重たいので私でも結構大変です。腕力に自信がない人、あまり器用でない人は組立設置を頼んだほうが無難かもしれません。

(2015/06/17 一部改定)

 

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