12.徹底比較!屋外小型物置(イナバ、ヨドコウ、タクボなど)


イナバ(稲葉製作所) ヨドコウ(淀川製鋼所) タクボ(田窪工業所)

「どんな物置がオススメですか?」と聞かれることがしばしばあるのですが、基本的にちゃんと片付けてみると、「物置買う必要ないですね」という結論になることが多く、今まであまり真剣に物置を比較検討してこなかったのですが、特に屋外用の小型物置はマンションや勝手口横などの需要もあるため比較してみました。ただしマンションの場合は規約等でベランダへの設置が禁止されていることが多いのでご注意くださいね。

<比較1>メーカー

物置メーカーは大手3社の寡占市場で、切磋琢磨して年々改良が積み重ねられていますが、結果として似たり寄ったりな感じです。消費者としては結局ブランド力で買ってしまうんでしょうか?

イナバ(稲葉製作所)

業界シェア1位(約42%)。本社=東京都大田区。「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」のブランド力は絶大。小型から大型までアイテム数は他社の追随を許さない。ただ、デザインは野暮ったい感じあり。

ヨドコウ(淀川製鋼所)

業界シェア2位(約26%)。本社=大阪市中央区。同社施工の阪神甲子園球場・銀傘にも使われているガルバニウム鋼板を数年前より使用することで他社との差別化を図っている。開口部の広い3枚引戸が大きな特徴。

タクボ(田窪工業所)

業界シェア3位(約21%)。本社=愛媛県西条市。収納ではキッチンの水切り突っ張り棚などでもお馴染み。どちらかというと小型に力を入れている印象。ちなみに同社が他社に先駆けてカラーバリエーションを増やした。

ダイケン

業界シェア4位(約5%)。本社=大阪市淀川区。建材メーカーの大建工業とは関係ないが上場企業である。

<比較2>商品別

今回は、幅100cm前後、奥行40~60cm、高さ100cm前後の商品に関して比較してみました。中型~大型のほうがもう少し違いがあったりするんですが、それはまた機会があればということで・・・。

(寸法の単位はすべてミリメートル、価格は税込み、組立費用除く)

イナバ・アイビーストッカー BJN-095A

  • 外寸(内寸):W920 D598 H992(W892 D494 H835)
  • 定価(実売価):35,700円(楽天・24,000円~)
  • 特徴:扉は180°フルオープンで出し入れしやすい。内鍵部に蛍光シール付きで安心。内部に吊り下げフック付き。カラー4色。
  • その他:幅620タイプあり。奥行900タイプには別売前棚板あり。

イナバ・シンプリー MJN-094A

  • 外寸(内寸):W910 D437 H903(W430+430 D315 H780)
  • 定価(実売価):33,600円(楽天・21,400円~)
  • 特徴:引戸はアルミレールに扉乗り上げ加工でスムーズに閉まる。棚板左右分割。吊り下げフック付き。カラー6色。
  • その他:奥行510タイプあり。奥行900タイプには別売前棚板あり。

イナバ・ナイソーシスター KMX-094A

  • 外寸(内寸):W910 D510 H890(W827 D364 H771)
  • 定価(実売価):47,250円(楽天・31,700円~)
  • 特徴:内部は化粧板仕上げ、扉内側は発泡ポリエチレン貼りで、断熱、結露防止効果あり。カラー1色。
  • その他:奥行560タイプあり。奥行900タイプには別売前棚板あり。

ヨドコウ・エスモ ESD-1005YGL

  • 外寸(内寸):W1086 D575 H1101(W1045 D383 H1015)
  • 定価(実売価):44,100円(楽天・28,182円~)
  • 特徴:3枚引戸で開口部が広く出し入れしやすい。ガルバリウム鋼板使用でサビに強い。棚柱移動可能。カラー6色。
  • その他:奥行750~前後分割棚。

ヨドコウ・エスモ ESD-0805YGL

  • 外寸(内寸):W836 D575 H1145(W795 D445 H1057)
  • 定価(実売価):39,900円(楽天・25,500円~)
  • 特徴:1枚扉。棚板2段。ガルバリウム鋼板使用でサビに強い。カラー1色。
  • その他:奥行750~前後分割棚。

タクボ・グランプレステージ・ジャスト M-95EF/ET

  • 外寸(内寸):W928 D575 H900(W892 D420 H770)
  • 定価(実売価):47,250円(楽天・28,970円~)
  • 特徴:吊り引戸・扉跳ね返り防止加工で非常に気持ち良く閉まる。全面棚タイプ、1/2ネット棚タイプあり。吊り下げフック付き。特許取得の簡単組立。カラー7色。
  • その他:奥行750タイプ~別売前棚板あり。

マキテック・fanty MKN-11

  • 外寸(内寸):W907 D490 H830(W830 D380 H765)
  • 定価(実売価):20,480円(楽天・7,580円~)
  • 特徴:とにかく安い。中国製。
  • その他:同程度の価格や仕様の商品は他社からも多く出ている。

アイリスオーヤマ・ホームロッカー HL-900V

  • 外寸(内寸):W860 D570 H910(W780 D450 H790)
  • 定価(実売価):定価不明(10,800円)
  • 特徴:シャッター式。材質=ポリプロピレン・スチールなど。
  • その他:ほか3サイズあり。

アイリスオーヤマ・ミニロッカー ML-1050V

  • 外寸(内寸):W900 D520 H1000(W800 D470 上H350 下H500)
  • 定価(実売価):定価不明(12,800円)
  • 特徴:シャッター式。材質=ポリプロピレン・スチールなど。
  • その他:ほか9サイズあり。

アイリスオーヤマ・木製収納庫 WSH-920

  • 外寸(内寸):W690 D450 H915(W610 D360 H775)
  • 定価(実売価):定価不明(9,800円)
  • 特徴:18Lポリタンク3個収納可能。材質=天然木・スチール。
  • その他:サイズ違い(W750 D520 H1200)あり。

タカヤマ・スチール製小型物置 TMS-805N

  • 外寸(内寸):W805 D500 H920(W770 D370 H850)
  • 定価(実売価):定価不明(楽天・6,980円~)
  • 特徴:自社販売で楽天最安値って・・・取引先との関係が心配です。材質=スチール。
  • その他:同程度の価格や仕様の商品は他社からも多く出ている。

リッチェル・マルチキャビネット HA240

  • 外寸(内寸):W700 D40 H980(内寸不明)
  • 定価(実売価):31,500円(楽天・21,840円~)
  • 特徴:扉内側にポケット2個付き。イタリア製。材質=ポリプロピレン、ステンレス(SUS304)。
  • その他:シャッター式8096Nもあり。

メーカー不詳・便利な屋外用収納ケース

  • 外寸(内寸):W850 D535 H875(W725 D400 上H375 下H420)
  • 定価(実売価):定価不明(楽天・14,800円~)
  • 特徴:天板取り外し可能。完成品。材質=ポリプロピレン、ABS樹脂。
  • その他:-

<比較3>収納力

基本的に各社、それほど大きな違いはありません。ただ、強いて違いを述べていくなら、まず開口部寸法に違いがあると言えるでしょう。特に幅900mm程度の小型物置の場合、一般的な引戸タイプだと開口部は375mm程度です(タクボ・グランプレステージ・ジャスト M-95EF/ETの場合)。その点で、フルオープン扉式のイナバ・アイビーストッカーや3枚引戸のヨドコウ・エスモは有利と言えます。

また、引戸式のほうが防塵や戸の開け閉めのスムーズさで多少有利な感じがありますが、引戸式はどうしても奥行内寸が小さくなり、特に3枚引戸のヨドコウ・エスモは奥行内寸はかなり狭くなります。

あと、棚板の可動ピッチについて。イナバやタクボは50mmピッチですが、ヨドコウは100mmピッチですので、その点ではイナバやタクボのほうが使い勝手は良いでしょう。またイナバやタクボには側面内部用の吊り下げフックが付属していますが、ヨドコウには付属しておらず、サイドL字ネットなどが別売オプションとして用意されています。

棚板については、イナバ・シンプリー、ヨドコウ・エスモ、タクボ・グランプレステージ・ジャスト M-95EF/ETネット棚タイプが左右分割式になっているので、背の高いモノと低いモノの両方を収めやすくて便利だと思います。

<比較4>扉・引戸

大手3社に関してはいずれも扉(引戸)の開閉はスムーズです。この点は性能よりも、設置の際にいかに水平を取れるかが肝になってくると思います。

ただ、細かい違いを言えば、タクボの引戸は上レールの扉跳ね返り防止機能のヘコミ加工のおかげで非常に気持ち良く戸が閉まります。高級な食器棚の引戸のようです。イナバのシンプリーも下レールに加工が施されていますが、タクボに比べれば劣る感じです。ヨドコウのエスモの場合は本体の鍵のストライク部分に跳ね返り防止を目的としたような受け部品がありますが、あまり効果は感じられません。

ちなみに、扉式は強風時の使用は扉がバタンッと閉まったりしておっかなかったり壊れる危険性があります。また、引戸式はレール部にホコリが溜まりやすく、扉式のほうが掃除は楽です。

<比較5>デザイン

数年前と比べてカラーバリエーションが増えているのが大きな特徴で、また多少なりともシンプル&モダンなデザインになってきています。しかしながら基本的に年寄り好みの地味な色が多いですし、個人的にはもうちょっと頑張って欲しい感じがします。

また、海外製のものなど、もうちょっとデザインの良さそうなものがあるかと思って色々調べてみましたが、このサイズに関しては良いデザインのものは皆目ないようです。

<比較6>価格

このサイズに関しては、大手3社の場合、実売価はだいたい2~3万円程度。値引き率は30~40%程度のようです。ちなみに大手ホームセンターはだいたい常時30%引きですね。大手3社以外でこのサイズだと1万円以下でも結構あるようです。というか、大手3社以外だとそのあたりがバリューゾーンなんでしょうね。

大手3社とそれ以外の価格の大きな違いは、まず強度が挙げられると思います。大手3社は基本的に豪雪地帯や海沿いでも耐え得るような強度を目指していますが、価格の安いそれ以外のメーカーはそういったシーンでの使用をあまり想定していません。そういった面で材質や機能に差が出てきて、それが価格に反映されていると思います。

あと、ホームセンターでは現品特価でかなり安く手に入る場合もありますが、展示現品を分解する必要があったり、トラックで運ばなければならない場合もありますので、値段と運搬の楽さで言えばインターネットで買うほうがお得でしょう。

まとめ

物置を買う場合は、基本的に設置サイズが最大のポイントになるでしょう。各社ともに基本的には同じような寸法ですが微妙に異なるので、サイズ次第で商品がズバリ決定してしまうこともあるでしょう。

ただし、入れるモノによって特に奥行内寸は非常に重要になってきます。薄ければ良いわけではないし、深ければ良いわけでもない。必ず入れたいモノの寸法と出し入れのしやすさを考えていただければと思います。

あと大きなポイントは扉か引戸という点でしょうね。これまでにもいくつかポイントを挙げて説明してきましたが、どちらが良いという話ではありません。ざっくり言えば、狭いところなら引戸のほうが便利ですし、幅のあるモノを収めたいなら扉式のほうが有利です。結局これも使用イメージを想定しておくことが大事だと思います。

また、屋外用物置は大手3社であれば十分に通気性や防塵について考えられていますが、湿気や水の流入、カビ、害虫、内部温度の変化に対して万全ではありません。基本的には雨ざらしにならない程度のものと考え、レジャー用品や園芸用品、オモチャなどを置く程度と考えたほうが良いでしょう。どうしてもという場合はイナバ・ナイソーシスターなど、より断熱・結露防止効果の高いものを選び、フタ付きコンテナボックスなどに入れて収納したほうが良いですね。

*この記事は2011/04下旬時点の情報で作成しております。(一部2014/02/05改定)

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